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ガーデンでの生活を記録したり、報告書をボク用にまとめたり。
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    ともだち

    (交流相手:アザミ視点)

    ボクには、友達と呼べるドールがいなかった。





    あれから何度も、音をよみがえらせる練習をした。
    前に書いた台本を朗読してみたり、音楽にあわせて歌ってみたり。
    お陰で誰も見ていない場所でなら、吐息で言葉を紡いだり、ほんの一瞬音程と呼べるものを創り出すことができるようになってきた。 …が、他ドールの存在を意識した途端、やはり喉の奥の扉がバタンと閉まり振り出しに戻る。
    ほぼ無反応と言っても過言ではない一般生徒ドールの前でさえ結果は同じだった。 お酒の力で感覚を麻痺させれば簡単な会話もできた(これについてはまた改めて書く)けど、飲める量にも限度があるので長くは続かない。 でも悩んでいる暇はない。フィナーレライブの本番まで一か月を切ってしまった。兎に角ドールが集まりそうな場所に足を運んでは、声を拒んでいるものと向き合い、がむしゃらに戦うしかない。
    今朝もそう決意を固め、授業に繰り出そうとしていた時だった。

    ドアがノックの音を2回奏で、ボクを呼んだ。
    最近は度々、フィナーレライブのメンバーであるリツが様子を見に来てくれるが、この音は彼女のじゃない。

    「……カガリさん。起きてますか? 今、話せそうですか?」

    では誰だろう?と考える間もなく、アザミの声が聴こえてきた。 黒い服に葡萄色の髪、夕闇と夜が描かれた羽を持つ、クラスコード・ブルーのドールの姿が頭に浮かぶ。 先程決意を固めた場所は思いっきりベッドの上だったので、ボクは慌ててラフな格好に着替え、長い髪を適当にひとつに束ねる。
    会話にならなくてもいい。もう逃げるな。…心の中だけならどこまでも大きくできる声を響かせて、ドアを開ける。 ボクの表情が険しかったたのか、アザミは少し申し訳なさそうにこちらを見ている。そんな顔をしなくていいのに。喉がだんまりをきめた日に彼女を遠ざけ、その後も接触を試みようとする彼女を拒んだのに。途端にアザミと目を合わせられなくなる。

    「はは、起こしちゃったみたいですね……」

    アザミは気にせず、微かに笑う。
    ふたりはそのまま静止し、気まずい休符だけが支配する。

    「……あー、えーと…」

    アザミが沈黙を破り、

    「…最近、元気がなさそうだなーと思って……もしよかったら……」

    少し恥ずかしそうに、リボンで縛られた柔らかい包みを差し出す。

    「…?」

    言われるままに包みを受け取ると、リボンを外し早速中身を確認する。 学園祭の出店でなにか元気が出るものでも買ってきてくれたのだろうか。

    「…」

    包みの中から仄かに懐かしい匂いがした。けれど中に入っているものは匂い袋よりは大きいもの、




    これは…ぬいぐるみだろうか。
    二色のつぎはぎの体にスカーフを巻いている…たれ耳のうさぎだ。
    いわゆる『一般的な可愛さ』とはややほど遠いが、あの狂暴なマギアビーストをカワイイと思えるボクにとっては悪くないデザインだった。…それにしても、学園祭でぬいぐるみ屋なんてあったっけ。

    「本当はもう少し早くお渡ししたかったんですけど……作るのに思ってたより時間がかかっちゃいまして……あはは……」

    待って。
    今、なんて。
    『作るのに』…時間がかかった……?

    アザミが早口でなにか説明しているようだったけど、全く頭に入ってこない。 ぬいぐるみをまじまじと見る。

    そうか、だからか。

    包みを開いた時に感じた匂い……アザミの部屋の匂いだった。

    うさぎは…ボクがいちばん好きな動物。とはいえホンモノには会ったことがないけど、ガーデンが雪景色だった頃に期間限定で設置されていたガラポンの景品であるうさぎのぬいぐるみを激しく狙っていたのでそこで知ったんだろう。 思えば体を形成している素材の色は…くすんではいるが黄色と紫。紫の方はどちらかというとアザミの色に近い気がするけど…。胸部分のハートは人格コア(コアもこんな形をしているのか…)、目の素材として使われているボタンはボクのクラスコードがイメージ?
    足先の緑と、スカーフの青は他のクラスコードを印象付けたもの……

    …では、きっとない。

    いや、確かにそうなのだけど…この三色からボクが連想するのは……


    『どうしてくれるんですかアザミセンパイ~!』
    『これも経験ということで、何卒。…ね、シキさん?』
    『せんぱーいどうするんですかー。後輩に恥なんかかかせちゃってー』

    もう絶対に戻らない日の映像。
    ある日常の一幕にすぎないはずなのに、目頭があつくなる。 悪夢を経験して泣き虫になった?

    …違う。

    これは…ボクにとって初めて
    「うんと楽しいことに巻き込まれそうな予感」で満たされた、
    かけがえのない思い出だから。

    他の羽ドールや角ドールとその後沢山関わってきたはず。でも…三色が揃う瞬間で、
    ボクが一番特別なのは……
    ボクが、一番好きなのは……

    「……その、こういうことを自分からするの初めてで……
    どういうものなら喜んでくれるかわからなかったんですけど……いかが、でしょうか?」

    現実のアザミの声音が思い出のそれと重なったとき、ボクはふと気が付いた。 彼女はいつも通りを演じているつもりだろうが、喉の張り方やちょっとした抑揚の付け方がほんの僅かに曇っているのを聞き逃さなかった。
    それもそのはず。彼女もまた悪夢を経験し…ちょうど一か月を迎えた頃だったはず。彼女もボクとは全然違った理由で、ボクに言わせれば、ボクなんかより正当な理由で一般生徒を手にかけたのだから。 そして…それが、当たり前に訪れる夜の平穏をどれだけ蝕むかをボクは熟知している。 ボクはぬいぐるみを持ったままその場にうずくまり、既に瞳の奥から溢れそうな感情をせき止めるように歯をくいしばる。

    「……か、カガリさん? や、やっぱりまだ調子が良くないんですかね?
    いや調子が良かったら篭ってませんもんね、すみませんそんな時に起こしちゃって——!」

    それがまたもアザミには怒っているように映ってしまったのか、急にわたわたと慌てはじめる。

    ボクが何もかもから逃げて、堕落した生活を送っている間に
    アザミは悪夢と戦いながら、このどうしようもないクズがどうすれば元気になるかを考えていた。
    ボクは自分を回復させるのにさえこんなに手こずっているのに
    アザミは自分のことなどお構いなしで、世界でたったひとつの宝物を生み出していた。

    どうして!
    なんでだよ!!

    せき止めていた感情が目から流れ出した。
    そうだ、プレゼントをあげるのはボクでなくても良かったはずだ。
    アザミはもうひとつ問題をかかえていたはずだ。もうひとり、救いたがっていたドールがいたはずだ。

    なのにどうして!
    ねえ!
    教えてよ!
    どうして?どうして!

    叫んでいるつもりでも、吐息の欠片と、しゃくりあげる音がこぼれ落ちるだけ。
    涙の粒が余計に大きくなって、小さな小さな水たまりをつくるだけ。

    どうしてボクなの。 どうしてそこまでしてくれるの。

    「……あなたは私にとって、『失われて欲しくないドールだから』ですよ」

    アザミには、なんとなくボクの言おうとしていたことを理解したようだ。少し笑みを浮かべながらゆっくりと語り掛ける。

    「……グロウ先生からも色々聞きました。彼、最後の最後まであなたのことを気にかけてましたし……」

    そこまで言ったあと、彼女は首を横に振る。

    「——でも、彼の話を聞いても私の考えは変わらなかった。
    あなたは相変わらず、私にとって『失われてほしくないドール』だった」

    ヘンだよそんなの。

    最後まで気にかけてくれているグロウ先生と、お別れ前に最後の会話をすることすら許さなかったボクなんて、失われて然るべきじゃない?

    …アザミがボクを見る目は真剣だ。

    「理由? あなた、何回私の心を救ってきたと思ってるんですか? 何回私を地の底から引き上げてくれたと思ってるんですか?」

    救った?引き上げた?
    コアをあげたこと?
    しょげているアザミに、言いたい放題言ったこと?
    全く心あたりがない。

    「……そんなあなたの火種が消えそうになってたんです。 だったら今度は、私が火種をお返しする番。私が手を差し伸べる番」

    誰かのために何かをするのだって、結局ボクには向いていなかったのに。

    「それが主人公(ヒーロー)ってものだと思うんです」

    ……こんな時でもヒーローにこだわるんだ。
    ……『おバカ』はどっちだよ。

    「……」

    ボクはアザミを睨んで言い返してやろうとした。
    くそっ…どうしてこんな時にも自分の体ひとつコントロールできないんだ。
    恐怖がなんだ。不安がなんだ。
    邪魔だ。邪魔だ、邪魔だ! 邪魔だ!!!

    キミがどんなにボクを大切にしているかは知らないけど
    ボクはキミのことなんてオモチャとしか思ってない。
    だからさっさと『今救わなきゃいけないドール』の元へ行け!
    そう言ってやればいい!!

    …どうしても体が言うことを聞かないなら…

    … ボクはぬいぐるみを自分の膝に置いてアザミの両手首を摑み、集中する。
    ……うまくいかない。 もっと集中しろ。手首を強く握る。
    怒りをぶつけろ。
    怒りをぶつけろ。
    怒りを……


    『…友達が傷付いたら悲しくなりませんか?』


    出た。
    先生の説教。
    もう退場しただろ。話しかけるな。
    友達?違う、彼女は友達じゃない。
    オモチャだ。
    でもおかしいな。
    オモチャ相手にどうして本気で泣いているのかな。
    本当に、どうしちゃったんだろう。
    みんな、みーんなボクのオモチャのはずなのに。
    やっぱり悪夢のせいで感情が安定しない。
    …悪夢のせい?
    …そもそも最後の悪夢を見たとき。
    ボクが歌ってみんなが殺される夢を見たとき。
    なんの迷いもなく殺せばよかったんだ。
    大好きな歌を堂々と歌っていれば
    今こんなことになんてなっていなかったのに!
    なんであの時歌わなかった?
    必死になって、喉を斬ってまで、
    一体誰のためにそんなことをした?
    誰のために…
    誰のために…

    みんなの…ために…?

    みんなが傷ついて…ボクが悲しまない…ために?

    『誰かが傷付くのは……悲しいことじゃないですか』

    先生…
    グロウ先生…
    ボクは…どうすればいいの。

    もっと話しておけばよかった。
    もっと聞いておけばよかった。

    『あはは!特に寂しいとか困ってるとか無いし、ボクはこのままで大丈夫だよ~!』


    全然大丈夫じゃないよ。
    先生……
    ………
    ………
    おねがい……
    ………
    ……たすけて…

    先生だったら、こんなとき、どうする……?

    ………… 脳裏に浮かんだ台本を全て白紙にする。 先生がどうするかなんてボクには想像できない。 想像できるほどの時間を一緒に過ごさなかった。
    でも多分……自分よりまず相手のことを、一番に考える…と思う。
    アザミの気持ちを……アザミのいまを……

    と、周りの音が、少し小さくなった気がした。
    耳が聞こえなったというより、特定のドールと意識がつながったような感覚。
    ……ひょっとしたら…… この機を逃さないよう、目を閉じて集中力を高める。

    ――今いちばん辛いのは、キミだよね?―――
    ――熊田ちゃんのことだってあるのに―――
    ――ボクに 優しくしてる場合じゃないだろ―――

    多分、どこかの仮面をつけたお人好しなドールならもっと優しい言葉をかけられたはずだ。 でも…ボクにはこれが精一杯。やっぱりどんなに頑張っても、ただ貰うものを貰って帰るなんてムリ。

    「っ……」

    思い描いた言葉が、アザミに伝わったらしい。
    やった…… やっと…念話魔法が使えた。

    ――全然辛くない——といえば嘘になりますね……――

    アザミは小さく息を吐いてから、同じ魔法で応える。

    ――でも、それはあなたも同じ。悪夢に苛まれてる中、私のことを気にかけてくれたじゃないですか――

    ボクは気にかけてなんか、
    ………… いや。気にかけていた…のかも知れない。
    しょげているアザミを見るのはつまらない。 喧嘩なんてくだらない。
    そのときの気持ちを言葉にするならこんなところだけど、その後にボクははっきりと、彼女と…彼女が救いたがっているドール…熊田みるくが仲直りしている光景を夢に見ている。 ボクは心から、ふたりの和解を望んでいた…?

    「……それにもしライブの直前で治ったとしても、そんな中途半端なの、あなた自身が許さないでしょう?」

    今度は念話ではなく、肉声を使う。
    ……ライブの話、覚えていたんだ。
    ちょうど同じ日に、辛気臭い話題から切り替えようとフィナーレライブに来いと誘った。 今考えると、アザミはそれどころじゃなかったはずなのに…
    ちゃんと、覚えていてくれたんだ……

    「——やるなら完全燃焼……ですよね? カガリさん」
    「……」

    ボクの心のなかで、何かが動き始めた。
    嬉しいな、覚えていてくれて。
    この上ない喜びが、燃料のように体を満たしていく。

    『いつか、キミの価値観がひっくり返される日が来ると思います』

    「…う、……うう……」

    『キミが友達と思ってなくても、きっとみんなキミを放っておかないでしょうから』

    放っておかなかったドールを目の前にして、
    嗚咽に少しだけ
    音が 宿る。

    「っ、今、声が……」

    アザミにも聞こえるぐらいの大きさだったのだろう。
    動揺している。
    ボクは瞬間ハッと顔をあげ、恐怖と寂しさが入り混じったような目を無意識にアザミに向ける。
    先程満たされた燃料が、一瞬にして凍り付く。
    違う。火を灯せ。
    これは夢じゃない。悪夢にはならない。
    負けるなカガリ。 負けるな。
    何に?
    悪夢に?
    それとも、

    ――……何か、不安なんですか?――

    優しい振動が、頭の中から体全体に共鳴し、渦巻く。



    ボクはカガリ。
    燃えるかどうかで物事を判断する。

    チョコレートやいろんな生き物が大好きで…
    図書室とか、静かにしていなくちゃいけない場面がキライ。

    だって、音のない世界は
    つまらなくて
    つまらなくて
    タイクツで …

    …とても、寂しいから。

    傷つけて得られる悲鳴でさえ喜ぶのに
    いなくなるのはキライだなんて
    なんて自分勝手なんだろう。

    おかしいな。
    笑えちゃうぐらい矛盾してる。

    でも……
    みんなの声が たのしいから
    いなくなってほしくない

    そう考えれば ぜんぶ、繋がるかな?



    …繋がらなくてもいい。

    …つぎはぎでいいんだ。

    …このぬいぐるみのように。

    たぶん、これが ――



    ―――ボクだ。



    「ぁ…………ぁ……」

    冷たい風を起こしていた恐怖が少しずつ溶け
    雨となり
    膝を濡らす。
    雨が強くなる度、体のあちこちで雪解けが進んでいるのか、
    喉を遮る扉が
    少し、また少しと軽くなる。
    聞いていてはずかしくなるようなみっともない音が、みるみる大きくなる。




    ねぇ、アザミ ……




    何かを決心したようにぬいぐるみを抱きしめ、震える口をゆっくりと開く。



    「……うぁ、」



    いける。
    …でも何を言ったらいいかわからない。 あともうちょっとなのに。


    「……大丈夫。少しずつ、少しずつでいいんです」


    アザミの声は、ずっとボクの傍にいる。

    寄り添うように、そして手を引くように、


    「あなたの声を、聞かせてくださいな」



    火を、灯すように。



    「ぁ……」






    ねぇ、アザミ?






    「あ……」







    キミは ボクのことを







    「ああ……」



















    友達と呼んでくれますか。



















    「うぁああああああああぁぁあああああぁん!!!!!!!!!!」




















    泣いた。
    声を出して。
    泣いた。
    幼い子供のように。
    泣いた。
    天を仰ぎながら。


    「……出たじゃないですか。誰にも負けない大きな声が」


    煩いよね。 情けないよね。
    でも、とめられないんだ。
    折角声が出たのに こんどは止め方がわからない。
    嘘。
    とめたくないの。
    声を出していたいの。
    このまま、もう少しだけ。

    「……よかった。よかった……」

    涙で前がぜんぜん見えないけど、 アザミは心から安堵していると耳で理解する。 ぬいぐるみを片手でしっかりと抱いたままもう片方の腕をアザミの背中に回し、涙で相手の服を濡らしながらひとしきり泣いた。

    暫くして涙は小降りになり、瞼に溜まった残りを腕で拭うと、鼻をすすりながらゆっくりと離れる

    「……………でた」

    まるで歌いすぎて喉が疲れ果てた時のようなひどくかすれた状態ではあるが、誰かの前で自力で言葉を発することができた。お酒を飲んだ時でさえ、ここまでの音程は乗らなかった。
    ようやく…できた。

    「……ふふ、本調子ではなさそうですけど……ゼロよりは100倍良いですね」

    ボクは頷いて、ぬいぐるみを一旦包みに戻し、よりいっそう大事そうに抱きしめながら、すくっと立ち上がる。

    「さて。きっとこれからやることも多いでしょうし……私はこれにて」

    アザミは微笑みながら

    「楽しみにしてますよ。ステージを……箱庭を包み込むほどの熱い歌声を、ね」

    と告げ、安心したように背を向ける。
    声が出せるようになったなら、次は歌だ。早速練習しなきゃ。丸一日分ぐらい泣いた気がするけど、まだ朝なのだ。

    …ん?朝?
    …そういえばさっき勢いで念話魔法を使っちゃったな。
    アザミも使ってたな。
    仲良く罰則だね。

    ……仲良く?

    ……うん、仲良く。

    いいんだ、これで。

    思わず笑みがこぼれる。

    多分、とても幸せな顔をしていることだろう。
    当然覚えていないけれど…以前アザミにコアを渡した日「今、サイコーに燃えている」などと言ったそうだ。…ひょっとすると、こんな気持ちなのかも知れない。
    勿論、再び燃える勇気を与えてくれたのはアザミだけじゃない。彼らは多分明日、音楽室に集まるだろう。だからボクも…行かなくちゃ。


    「………ありがとう、アザミ」


    炎を授けてくれたヒーローの……友の背中に、ボクはそっと、心からの感謝の言葉を送った。


    Diary25「ともだち」
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