ボクの名前はカガリ。ガーデンという魔法学校の生徒だ。
勇者を目指す友、アザミを倒す魔王となるべく、1月の終わり頃から森に修行に出た。 だからうんと強くなるまでは会わないつもりだった。
「その代償にとんでもないマギアビーストが出るかもしれない……ってなったら、あなたはどうします?」
ボクは、燃えるコト…面白いことが好きで、燃えないコト…タイクツが嫌い。 そして、燃えるコトの前ではたびたび制御不能になる。
「マギアビースト!? 出るの!? いつー!?」
“マギアビースト”…ガーデンに時々現れる、異形のカイブツ(だいたいカワイイ)。 ここ最近タイクツ気味なボクを刺激するには十分なキーワードを、よりによって勇者本人から持ち出され、スルーを決め込もうとしていた念話魔法(離れているドール同士で会話できる手段)にうっかり応答してしまった。 慌てて、センセー……ガーデンやらボクらの寮生活やらを管理してるペラ板のモノマネをして誤魔化しても後の祭り。いや、別にあっち……念話の主、アザミに居場所がバレるわけじゃないけど……問題はボクの方。一瞬でも、懐かしいやりとりに安らぎをおぼえてしまったら…
帰らずにはいられない、ガーデンに。
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