(カガリには見えない文字で書かれている)
※かなりグロテスクな表現があります。
「狭くない?」
「ん~ん、大丈夫。避難所の寝袋よりは」
「あれちょっと動きづらかったもんね…」
今日ボクは、ドロシーの部屋にいる。 部屋の前で立ったまま寝落ちしかけていたところ声をかけられ、悪夢が続いて寝不足であることだけを軽く打ち明けると、理由を一切聞かずに此処へ招いてくれた。
ドロシーの部屋はボクの部屋に比べれば置いている家具、壁紙や床も地味だが、色のチョイスはボクと少し通じるものがあった。 そして、ボクの部屋にはない『あるもの』が窓際に設置されている。彼女が今日ここに泊まるよう提案した理由もこれだ。 それは…日によって異なる気体や香りを排出し続ける装置…そう、マギアレリックだ。 頭をぶつけたらとても痛そうな見た目をしている。 今日はちょうど、「落ち着く香り」を、次の日には「元気な香り」を出してくれるのだそうだ。 軽めの毒が出る日もあるようだが、その時はどうしているのだろう。隣のドールの部屋にでも置いているのだろうか。 部屋に充満する香りは確かに落ち着く。わざわざ自室に置いている蓄音機を持ってくる必要もなさそうだ。 ボクはドロシーと他愛ない話を楽しんだあと、いつの間にか眠りに落ちた。